
作者・霍凱盛(Eric Fok)は「作品を通じて、自らの考えを表現する一方、マカオの変化に対する認識をたかめたい」と、古代地図の表現様式を模倣することで、マカオが歩んできた植民地時代の歴史を反映させています。本作では、神秘的な海に浮かぶキャラック船(大航海時代の帆船)が描かれ、現実と幻想が交差する異空間の中で、未知の新天地を目指して航海する姿が表現されています。また、紙にはあらかじめ紅茶やアクリルで加工が施されており、16〜17世紀のアンティーク地図のような風合いを生み出しています。さらに、本作品は極めて細密な縮小表現で描かれており、作者の高度で緻密な技術力も感じ取ることができます。
